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決算対策・節税

公開日:2015/09/10 更新日:2015/09/10

節税の観点から住宅補助と社宅を比較する

住宅補助は給与として扱われる福利厚生

企業経営者の中には、住宅に関する福利厚生を「住宅補助」として支給するか、それとも「社宅」を提供するかで迷っている方も多いはずです。現在では「社宅」を提供したほうが節税対策や社会保険料の観点からメリットが多いとされていますが、一昔前は「住宅補助」を提供することが主流となっていしました。そこで、まずは「住宅補助」の概要について見ていきます。

 

住宅補助とは「従業員の居住費を負担する制度」

住宅補助とは福利厚生の一つであり、「企業が従業員の居住費の一部を負担する」制度のことを言います。また、場合によっては「従業員が返済している、住宅ローンの一部を負担する」制度として用いられます。そのため、あくまで企業が従業員に対して、資金を提供することが住宅補助・住宅手当になるのです。

「定額方式」か「定率方式」で支給額が決まる

従業員の居住費を負担するために住宅補助を採用している場合、その支給額は「定額方式」か「定率方式」によって決められます。まず「定額方式」とは、企業ごとに勤務形態や住居区分、扶養家族などを諸条件として定めておき、その条件に従って住宅手当を支給する方法です。また、「定率方式」は、基本給に対して一定の割合の手当を支給する方法となっています。こうした支給方式は企業ごとに異なりますが、一般的には「定額方式」が採用される場合が多くなっています。

住宅補助は給与に上乗せされる

企業の支給方式に従って支給された住宅補助は、「住宅手当」もしくは「家賃手当」として給与所得に上乗せされる形で支給されます。したがって、従業員からしてみると、通常の月収よりも多くの可処分所得を手に入れられるようになるのです。ただし、企業側からすると、従業員の給与所得を増やすことは社会保険料の負担増を意味するので、住宅手当以上の費用を負担する必要が発生するのです。そのため、住宅補助の場合、給与所得が増えるため従業員の満足度が高まる一方、企業の負担が増えてしまうのです。

住宅補助と社宅ならどちらが良いのか?

給与所得として従業員に支給される住宅補助では、企業が支払う社会保険料が増えるなどのデメリットが発生します。一方、一定の賃料を取っている社宅であれば、給与所得として扱われないので、社会保険料の増加分はありません。こうした様々な観点から、住宅に関する福利厚生のメリット・デメリットを比較していきます。

手続きや管理の観点では「社宅の方が労力を使う」

企業経営者からしてみると、社宅を用意するよりも、住宅補助を支給したほうが手続きを簡単にすることができます。なぜなら、社宅を提供する場合、社用社宅であれば維持・管理する必要があったり、借り上げ社宅であれば不動産提供者と契約をしたりと様々な作業が増えるからです。そのため、住宅補助を支給した方が、業務量を減らすことができます。

課税の観点から「住宅補助の場合は課税対象になる」

この課税の観点は、企業にとっては直接関係ありませんが、従業員にとっては問題になります。なぜなら、給与所得である住宅補助は、この補助額に対しても所得税が課せられるからです。そのため、仮に住宅補助と社宅における企業の負担金額が同額だった場合、課税される分を差し引くと、可処分所得は少なくなるのです。より分かりやすく説明するため、所得税を5%として、2万円の家賃がかかる住宅に住むケースを考えます。
まず、住宅補助として1万円を出す場合では、この支給額に対して所得税(5%)が課せられるので、実質使える増える給与は9,500円になります。そのため、従業員が賃料として支払う金額は支給額の9,500円と、自分の給与所得である10,500円を合わせて20,000円を支払います。一方、同条件の住宅を社宅として貸与する場合、企業が2万円を支払うため課税されずに済み、従業員は賃料の1万円を企業に支払うだけなのです。この結果、社宅の方であれば課税をされないため、実質的な可処分所得を多くできるのです。

住居選択の自由の観点では「住宅補助の場合の方が、自由度は高い」

この住居選択の自由の観点も、企業にとって直接的に関係することではありません。ただし、従業員の満足度を高めることを考えると、住宅補助の方が住居選択の自由度は高まります。なぜなら、契約主は従業員自身となっているため、住まいを自由に選ぶことができるからです。
もちろん企業によっては、借り上げ社宅を採用して住居選択の自由を達成できますが、一人ひとりの従業員のために住宅の契約手続きをすることは現実的ではありません。そのため、住宅補助を支給した方が、従業員の満足度を高めやすくなるのです。

 

 

住宅補助は今後、廃止されると予想される

給与所得として処理されるため、課税対象となったり、社会保険料が増えてしまう住宅補助ですが、支給しないより支給した方が従業員の満足度は高くなるようです。ただし、一般的には「今後、住宅補助は廃止される」と予想されています。その理由は以下のようなことが挙げられています。

実力主義、成果主義が主流になっているため

近年では終身雇用や年功序列制度を採用している企業が少なくなり、実力主義・成果主義が主流になりつつあります。そのため、企業に対して成果を上げている人に対して福利厚生を厚くする流れになってきているのです。また、国内に進出している外資系企業では住宅補助の概念を持たないことから、そもそもとして住宅補助がない企業も増えているのです。

世間的なライフスタイルの変化のため

企業ごとに住宅補助を支給する諸基準を定めていることが多いですが、これに当てはまらないライフスタイルが増えていることも、廃止の要因として挙げられます。例えば、ルームシェアをする人や、シェアハウスをしているなど、支給の判断が付きにくくなっています。

必ずしも従業員のモチベーションに寄与しないため

かつては新卒採用や中途採用時に住宅補助を支給していることが魅力となっていました。しかし、近年では住宅補助の支給が、必ずしも従業員のモチベーションの上昇に寄与していないようです。なぜなら、こうした住宅補助を一律で従業員に渡すよりも、従業員ごとの実力を判断し、公平に給料を算定することを求める意見が増えているからです。

本記事の執筆者

税理士紹介エージェント 編集部

2012年から10年以上、税理士紹介エージェント を運営し、最適な税理士をご紹介する中で お客様からよく寄せられる疑問や税務に関するコツ、最新の税制改正情報など、幅広く税に関するお役立ち情報を提供しています。

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