成長企業の社長に聞く
~顧問税理士の価値~

インタビュー

2016/8/29

「どんどん上に昇っていくぞ!」という元気な企業は早めに顧問税理士を

「毎年利益も売上も昨年並で良い」のであれば顧問税理士は必要はありません。でも「来年はもっと!再来年は更にもっと上へ!」と考えるなら、早めに顧問税理士を入れることをおすすめします

株式会社UZUZ 
代表取締役社長今村 邦之様/経営企画室室長羽原 佳希様

優しく真摯な人柄に惚れた、現在の顧問税理士

飯原(税理士紹介エージェント 代表):
まずは御社の会社概要、事業概要のご説明をお願いします。

今村社長(株式会社 UZUZ 代表取締役社長):
弊社は「第二新卒」という職務経験が3年未満の若い方たちだけに特化した人材紹介業を行っています。よく人材派遣と混同されるのですが、派遣ではなく人材の紹介だけを行っています。
設立は2012年2月。大学時代の友人と中高生時代の友人、そして僕の3名で、元々この事業をやっていた会社のポータルサイトの媒体を引き継いだ形で事業を始めました。その3名が現在、副社長と専務、そして社長になっています。従業員数は現在、22名です。(2016年8月現在)

飯原:
現在、顧問税理士の方はどのような仕事をされていますか?御社の経理や税務の組織体制と合わせてお話いただければ幸いです。

今村社長:
経理や税務に関して弊社では現在、顧問税理士と公認会計士の方に様々なアドバイスを頂いています。顧問税理士の方には、記帳代行のような業務はお願いしていません。記帳に関しては社内の経理担当の社員が行っていて、税理士には社内で処理した経理や税務の業務にミスが無いかの確認、また処理に対するアドバイス、更に優遇税制などに関する情報の提供や確定申告をお願いしています。

飯原:
その顧問税理士の方とはどのように出会ったのですか?

今村社長:
創業した時に入居していたシェアオフィス内にあったある税理士事務所で、税理士試験の勉強をしながら見習いのような仕事をしていたのが、現在の弊社の顧問税理士です。当時、右も左もわからない創業したての僕らの、経理や税務に関する素朴な疑問に、一つ一つ丁寧に彼が答えてくれていて、その優しくて真摯な姿勢に惚れて、彼が税理士試験に合格後、弊社の顧問税理士にとお願いしました。2014年2月の3期目に入ったところで、売上が1億円を超えるのではないか、というタイミングでした。そこで初めて、税務調査や会社の将来のための対策を立てなくてはいけないと思い、顧問税理士を引き受けてもらったのです。

飯原:
会計士の方もいらっしゃるとのこと。どのような仕事をしていただいているのですか?

今村社長:
公認会計士の方には、2016年2月からお願いしています。弊社では、税理士の方には税務関係をお任せしているのに対して、公認会計士の方にはどちらかというと、業績管理をメインにアドバイスを頂いています。月一回のミーティングの際に、目標となる数字に対してどこまで達成できているか、或いは事業別で赤字が出ていないか等、事業の状況をいわゆるCFO的な観点で見ていただき、アドバイスを受けています。また、経験豊富なベテランの公認会計士の方なので、社内のスタッフの経営企画に関わる教育もお願いしています。

融資や節税のアドバイスがあったから、アクセル全開で走れます!

飯原:
公認会計士の方がしてくれるような経営に対するアドバイスに関しては、顧問税理士の方から受けていないのですか?

羽原室長(株式会社 UZUZ 経営企画室室長):
受けていません。あまり得意そうではなかったというのが大きな理由です(笑)。ただ、例えば最近であれば交際費と会議費の扱いが変わったことや雇用の促進税制等、税法のアップデートや暫定的な法律に関する様々な面で貴重なご意見を頂戴しています。また、これまで弊社では地方自治体などが行っている制度融資を2度使っていて、その際、制度融資の中でも二行以上の金融機関から融資を受けることが出来る協調融資を使えるということを教えていただきました。税理士の方に説明していただくまでは、制度融資の中で協調融資を使えるとは知りませんでした。更に金利の利率の交渉をどのようにしたら有利なものにできるか、融資額をより引き出すためにはどのように交渉すればよいかなどのアドバイスもいただきました。メガバンクと地方銀行に協調融資をお願いして、前者は、金利は良いのですが融資額が低い、後者は、融資額はかなりの額を出しますと言ってくれるのですが金利が良くなかったのです。税理士の方からアドバイスを受け、交渉していくうちに金利の条件がどんどん良くなっていきました。この時融資を受けることができたおかげで、赤字を出していても資金が底をつかず、ある意味余裕をもって会社の経営ができました。

今村社長:
それと同時に弊社にとって非常に大きかったのは、節税に関する相談をした際にいただいた、貴重なアドバイスです。

羽原室長:
そうですね。最初に顧問税理士の方についていただいた時に、どういう方針で経営していくのかというようなことを共有する機会をつくりました。その際、「払う税金を少なくしたいから利益を圧縮したいのですが」、という相談をしたのです。しかし、税理士の方が、「会社を成長させていきたいのであれば利益を出して、しっかりと納税したほうが良いです」と言ってくれた。もともとその税理士の方は節税対策を多く手がける税理士事務所で仕事をされていたのですが、やはりその中でも様々なケースを見ていて、成長を目指していた弊社にはそのようなアドバイスをしてくれたのだと思います。このアドバイスは融資の話ともリンクしていて、そのような健全な経営をしてきているから融資をしていただける銀行からの信用も生まれたのだと考えています。

今村社長:
顧問税理士の方からの、融資受ける際の有効なアドバイス、そして経営方針に関していただいた根源的なご意見で、会社経営のアクセルを強く踏めたことは間違いありません。

飯原:
今のお話とは逆に、今まで税理士の方と衝突したり、トラブルになったりしたことはありますか?

羽原室長:
弊社では全くありません。前に在籍していた会社であったことなのですが、その会社の税理士の方に記帳をお願いしていた際、結構うやむやにされている領域が多く、月次の決算を無茶苦茶な数字で上げられていたことがあり、その時には税理士の方と衝突しました。
その当時はきちんとした要件定義ができていなくて、丸投げ状態でしたからそういうことが起きてしまったのですが、今は最初にきちんとすり合わせも出来ていますので、トラブルはありません。

経営者にとって顧問税理士は、何でも相談できるパートナー

飯原:
順調に会社を成長させてきたお二人にとって、良い税理士、悪い税理士とは、それぞれどのような税理士だと思いますか?

羽原室長:
僕は、友達感覚で付き合える方とはやはり、やりやすいです。「弁護士を紹介して欲しいのですが?」とお願いしたら、例えば飲み会をセッティングしてくれ、しかも堅苦しい雰囲気ではなく、スポーツバー等で飲みながら会話する、そんなフランクなコミュニケーションがとれるような人というのは一緒に仕事もしやすいと思います。

今村社長:
ファンクションというか、機能だけをアウトソースさせるようなところでやるというよりは、例えば「ちょっとこれグレーな領収書なのですが実際どう思いますか?」というような、本音をしっかり話せるような税理士の方は良い税理士だと思います。杓子定規な役割だけの仕事しかしない税理士さんは少し違うのかなと思います。僕にとっては、何でも打ち明けられるかどうか、いわゆる悩み相談をできる税理士が頼りになります。会社を経営する者としては、信頼して何でも開示できる相手というのは非常に貴重な存在だと思うのです。コミュニケーション能力、ひいては人間力のある税理士が理想です。

羽原室長:
あと僕にとっては、相談した時に迎合しない方、媚びない方というのが重要なポイントです。
「ここはこうした方がいいです」というように、はっきりと断定して言ってくれる方が良いと思います。税理士の方は基本的にプラスアルファの業務をやっても、その業務に対して特別な報酬は発生しません。そのような条件で、敢えて自らに負担がかかるようなアドバイスしてくれたり、業務をしてくれたりする税理士の方には頭が下がります。

飯原:
御社の現在の顧問税理士の方は、どれくらいの頻度でここにいらっしゃるのですか?

羽原室長:
毎月来て下さいという感じではなく、心配事がある度に電話で相談させていただき、必要に応じで出向いてもらっています。入力作業のときは僕が税理士の事務所に出向いてやっていますし、その時に必要なことは十分サポートしてもらえていますから、定期的に出向いていただく必要なあんまりないんです。その分ちょっとお安くしてもらってます。

会社を成長させたい経営者の皆さんは、今すぐ顧問税理士を!

飯原:
素晴らしいタッグを組んできた顧問税理士の方に、今後はどのようなことを期待されていますか?

羽原室長:
今村と意見が一緒か分かりませんが、僕はリスク回避に関するアドバイスを期待しています。例えば収入印紙を貼るような文書の場合、いくら貼ったら良いかは見る人によっても変わってきます。「この契約書はこういう理由で第2号文書に該当します、或いは第7号文書に該当します」のような、様々な事柄に対する根拠に関してのアドバイスをいただけると嬉しいです。

今村社長:
今後の会社の成長に向けて、顧問税理士に期待することには、経営の規模感が大きく関わってくると思っています。会社のステージや経営の規模の上昇や伸びを事前に察知して、「こういうステージになったら、こういうことを考えていかないといけないですよ」という感じで、少し先回りしてアドバイスをいただければと思っています。

飯原:
最後に、まだ顧問税理士さんがいらっしゃらない経営者、例えば個人事業規模から、法人にして頑張ろうと思っているが、顧問契約をまだできてない方なども結構いらっしゃると思います。そのような方々に、顧問税理士を持つということについてのアドバイスをお願いします。

今村社長:
僕が以前在籍していた会社には顧問税理士がいませんでした。社長と僕、二人だけの会社で、僕が経理等の仕事もしていました。その時は、「この会社には税理士はいらない」と思っていました。なぜならば、その会社の社長に、会社を伸ばす気がなかったから。毎年赤字をある程度出すように節税して申告していれば、誰にも何も言われず平和には過ごすことはできるのです。しかし僕は、「そういう経営は嫌だ!」と思っていました。昨年度比、150%や200%、いや、300%というように、「どんどん上に昇っていくぞ!」というような、元気な企業は早めに顧問税理士を入れた方が良いと思います。そういう企業が、例えば税務調査に対する対策をしっかりしておこうとか、従業員を保全しようと考えれば、邪魔や障害を取り除くお手伝いをしてくれる人が絶対に必要だと思います。
繰り返しになりますが、「毎年利益も売上も昨年並で良い」、「成長する気がない」のであれば、顧問税理士をお願いする必要はありません。
そうではなく、「来年はもっと上へ!再来年は更にもっと上へ!」と考えている企業でしたら、早めに顧問税理士の方を入れることをおすすめします。

飯原:
貴重なご経験から、顧問弁護士の重要性がひしひしと伝わってきました。本日は貴重なお話をありがとうございました。

~取材を終えて~

非常に若くして起業され、順調に成長を加速されている今村社長と当日の社長の機転で経理もご担当されている経営企画室長の羽原様にお話を伺うことが出来ました。 羽原様は、米国公認会計士試験を科目合格されており、前職では税理士の代わりに自社の決算申告業務を行われるなど 非常に専門知識が豊富で、実務にも深く精通されていらっしゃる方で、税理士への要望・視点・評価も非常に 的確で、会社の成長のためにしっかりと守りを固め、基盤を強化しておくんだという強い意志を鋭く力強い眼差しから感じました。 今村社長は前職でのご経験を元に、上昇志向を持ち成長したいのであれば顧問税理士活用は必須であり、しっかりと利益を出して 納税していくことが結果として金融機関からの信用に繋がり、融資の獲得や財務基盤の強化に繋がると強い信念をもって仰っていました。 また、税理士は税理士、会計士は会計士と最低限の各機能は期待しつつも、その枠にとらわれない人間的な関係や 付加的な価値をその方々から引き出すことを常に意識され、経営効率を最大にしようとされているのではと感じました。 羽原様へ優しく発言を促されたり、発言内容を尊重して見守られる今村社長の姿勢に経営の方針が体現されているのではと 感じられたのが印象的でした。 今村社長、羽原様、お忙しいところご協力下さりありがとうございました。

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