成長企業の社長に聞く
~顧問税理士の価値~

インタビュー

2016/9/1

“綺麗なBS”が会社を成長させる。そのためには経理や税務のプロ- 顧問税理士を!

お金周りの信用が圧倒的に高ければ、経営としても次々に新しい一手が打てる。それには経理や税務は、プロにやっていただいた方が良いと思う。

株式会社BNGパートナーズ 代表取締役会長蔵元 二郎様

経営はクリーンに!僕の思いを理解してくれていたから決めた顧問税理士

飯原(税理士紹介エージェント 代表):
早速ですが、この記事をご覧になる読者に対して、御社の事業内容のご説明をお願いいたします。

蔵元社長(株式会社 BNGパートナーズ 代表取締役社長)
会社名は株式会社BNGパートナーズと言います。主要事業としては、ベンチャー企業専門のヘッドハンティングを行っています。 会 社 設立が2009年9月、従業員は現在(2016年9月)25名です。

飯原:
蔵元社長は他にも様々な会社を経営されていますが、他にはどのような会社を経営されていますか?

蔵元社長:
全部で8社ありまして、BNGパートナーズの他に、M&Aの会社、従業員を採用する際のセカンドオピニオン、いわゆるリファレンスサービスを行っている会社、子育て教育の事業をしている会社、渋谷で実際、親子で学ぶ教室のような親子カフェ、ミャンマーでの家庭教師事業、営業代行の会社、持ち株会社になります。

飯原:
それでは本題に移らせていただきます。現在の御社の経理や税務に関する体制、および顧問税理士の方がいらっしゃれば、その方との馴れ初めをお聞かせください。

蔵元社長:
弊社の経理関係の業務は、僕一人が全て行っています。事業的に、経理処理が非常にシンプルなのです。仕訳がほとんどなく、人件費と支払い等のデータ作成の管理会計を僕が行い、それを顧問税理士の方にすべてお送りし、税務会計、税務決算をお願いしています。
前に在籍していた会社でお願いしていた税理士事務所にお願いしていて、その事務所のメンバーの一人に担当していただいています。顧問契約を結んだのは会社設立と同時です。

飯原:
前職の時と同じ税理士事務所の方にお願いした理由は何でしょうか?

蔵元社長:
理由の一つは、僕の思い、会社経営はとにかく“クリーン”に行わなければいけない、ということを理解してくれている。そのためには、特にお金に関することは非常に重要だと思っていて、その思いを理解してくれている税理士の方にお願いしたいということです。理由の二つ目は、クリーンでなければならないからといって、杓子定規な対応だけされても困る。その辺で、非常にフットワークよく動いてくれる。様々な相談にも気軽に乗ってくれ、ダメなものはダメとはっきり言ってくれる。例えば販管費の使い方のバランスなどに対して客観的にアドバイスをくれるなど、メンター的に行動してくれる。そういう部分が非常に信用できるからです。「この人の言うことは信用できる」と。

3時間で終了した税務調査- 顧問税理士は大きな戦力です

飯原:
会社設立時から顧問税理士をいれたのはなぜですか?

蔵元社長:
これにも二つの理由があります。一つは起業して経営者が本来やることは、売上をあげて、事業を伸ばすことだと思うので、そちらの本来やるべきことに集中したかったからです。特に創業時は攻めの状態です。一方、会計業務には本来、保守的な部分もある。攻めの状態で保守的な会計業務を僕が同時に行うことには、抵抗がありました。守りは守りで税理士という第三者にやっていただくことで、より良い攻めが出来ると思っていました。

もう一つは先程も触れた、クリーンにやっていきたいという思いから。それには最初からその道のプロである税理士の方にお願いしたほうが良い、と考えたからです。
それに関しては自慢できる事例があります。今年、弊社に初めて税務調査が入った時のことなのですが、通常は2日間掛かると言われている調査が3時間で終了し、指摘事項もなく終わりました。全くクリーンだったから。これは社員たちも誇りに思ってくれたと思います。
ですから、設立時から僕の思いを理解してくれた顧問税理士を入れたことは大正解だったと思っています。

飯原:
創業時からの顧問税理士の方との歩みをお話いただけますか?

蔵元社長:
創業当時は会計ソフトの入力も僕がやっていました。2年後くらいに社員が5、6人に増えて、僕の営業業務も忙しくなり、他の社員の教育にも精力を注がなければならなくなり、入力もお願いするようになりました。僕が、クリーンにしたいという思いを持っていることは十分に理解してくれているので、仕訳についても「これは何の経費ですか?」等ということも細かく聞いてくれていましたね。それから次第にBS(貸借対照表)についての相談なんかもするようになりました。外からの見え方について、客観的な意見をもらったりするようになりました。

飯原:
順調に会社を成長させてきていらっしゃると思うのですが、会社の成長に顧問税理士の方が与えている影響は何だと思いますか?

蔵元社長:
直接的なことではないかもしれませんが、例えば銀行に融資の相談をしようと思った時に、事前にバランスシートを見ていただきご意見を伺うと「全く問題ありませんよ」と言って強く背中を押してくれるので、銀行との交渉にも自信を持って臨めること、その結果融資もすんなりとOKがいただけるというのは、税理士が僕の思いに沿って適切で健全な処理をしてくれているからだと思っています。そういう時に、非常に貢献してくれているなと感じます。先程お話した、税務調査の際もとてもありがたかったです。

飯原:
会社の規模がだんだん大きくなるにしたがって、顧問税理士の方に求めているものの内容に変化はありますか?

蔵元社長:
会社が今よりも小さかった時はPL(損益計算書)がメイン、成長に従って、BS(貸借対照表)が重要になってくる。それとともに一緒に視点を移してもらい、考え方も中期的な視点を持っていただくようにはなっています。例えば現在でしたら、アフターオリンピックに何かあった時のことを考え、「ここは利益を削ってでも、未来のために事業や人に投資しておいた方がいいですね」等のご意見をいただいています。

価値観の擦り合せと、ぶっちゃけトークが良い関係の鍵になっています

飯原:
仮にもう一度0から顧問税理士を選ぶとするならば、どのような観点で、良い税理士、悪い税理士を見分けますか?

蔵元社長:
良い悪いというか、やはりその経営者が求めていることで違うと思っていて、その求めている価値観が合うか合わないかだと思います。例えば節税が好きな人もいますよね。僕の場合はクリーンで美しい経理や税務を求めているので、そこできちんと税理士の方とコンセンサスをとります。
人柄等に関しては、友人の経営者の方からの評判を聞くなどして情報を得ることが重要だと思います。
弊社では、僕が前に在籍していた時にお願いしていた税理士の方に、結局はまた顧問をお願いしましたが、当初はインターネットで検索をしたり、税理から送られてくるDMをチェックしたりして他の方もチェックしました。

飯原:
これまで顧問税理士の方とトラブルになったりしたことはありますか?

蔵元社長:
全くありません。先程も申し上げた通り、価値観の擦り合わせがきちんとできていますので、例えば「この場合ならこういう節税方法がありますよ」と提案してくれることもありますが、納得できないものは断ります。今はそういった機微も顧問税理士の方も理解してくれていて、決算前には緻密に擦り合わせもしているので、お互いのズレはそこで修正できています。
良いコミュニケーションがとれていますので、トラブルになる心配は考えていません。
そのためには普段のコミュニケーションも重要です。決算を締めたあとには必ずお礼の食事に誘い、そこで様々な“ぶっちゃけトーク”などもしています。老舗税理士事務所に所属されている方なので、大小色々なクライアントを見られています。ですから、様々な疑問点ははっきりぶつけ、その答えをお聞きすることができます。

飯原:
一方でこれまで会社を経営されて来て、顧問税理士がいたから良かったと感じたことは何ですか?

蔵元社長:
3、4年目の時に、中小企業倒産防止共済を紹介していただいたことが強く印象に残っています。グレーな節税はしたくないが、まだまだ内部留保が薄かった時で、きちんと理にかなっているものを活用できましたから。おかげさまで今それがとても役立っています。

クリーンな経営が会社を成長させる

飯原:
お話の中で、“クリーン”という言葉が繰り返し出てきましたが、クリーンなBS(貸借対照表)とはどのようなものであると考えられていますか?

蔵元社長:
不明な勘定科目がないことや理由が分かりにくい状況になっていないということだと思います。クリーンというよりも“かっこいい”BS(貸借対照表)と言ったほうが良いかもしれません。事業内容にもよると思うのですが、負債のレベルが低いとか、純資産がきちんと厚くなっているとか、コツコツと会社を経営してきている真面目さが出ているBSがかっこいいと思います。きちんと納税していないと、純資産は積み上がらない、節税ばかりしているBSは見たら分かりますよね。

飯原:
今後の御社の成長に向けて顧問税理士の方に新たに期待することは何ですか?

蔵元社長:
僕自身が銀行との付き合いの経験が薄いので、銀行とのお付き合いの仕方をもっとアドバイスしてくれたら嬉しいと思っています。例えば、先日新たな信用金庫から借り入れをしたのですが、その時税理士からは、できれば四半期ごとに決算書を持って行ったほうがいいとか、そういう時にどういう視点で説明をするのかとか、そういうアドバイスをいただきました。今後もそのような交渉の仕方や付き合い方等を教えていただければと期待しています。

飯原:
最後に、まだ顧問税理士を持たれていない経営者の方に向けて、先輩経営者としてメッセージをお願いします。

蔵元社長:
シンプルに「経営って何だっけ?」「経営者のなすべきことは何?」と考えた時、それ以外のことはなるべくそぎ落としていくべきなのだと思います。税務に関して経営者が詳しいことには、何の意味もない。やはり顧客をどうハッピーにするか、ということに全精力を使った方が良いと思います。
僕は会社の経理や税務がクリーンであること、特にBS(貸借対照表)がクリーンであることと、企業文化がクリーンであることは非常に相関関係があると思っています。ですから、きちんと綺麗なBSを作って、文化も綺麗にしていきましょう。BSが綺麗ということは、お金周りの信用が圧倒的に高いです。その方が、経営としても次々に新しい一手が打てると思うのです。そうするには経理や税務に関しては、プロに頼んでやっていただいた方が良いと思います。ただ、丸投げは良くないと思います。きちんと今のBSがあって、1年後にはこういう状態にもっていこうというコンセンサスをとりながら、税理士の方とはお付き合いしていってください。

~取材を終えて~

2009年に起業され、わずか7年の間に8社ものグループ会社を立ち上げ、経営されている蔵元社長に取材させて頂きました。
前職企業で役員を務められている際にお付き合いのあった税理士さんに、起業時も継続してお仕事を依頼されたとのこと。
人材紹介という事業の特殊性から仕訳自体が非常に少ないため、管理会計や経理処理は社長自身が実施されているそうですが税務会計、決算対応は起業時からお任せになっていました。
すごい!と思ったのは、「税理士とトラブルになったことは一度も無い」と断言されていたこと。
実際はなかなか難しいことだとは思いますが経営者がしっかりと経営方針、仕訳、決算方針などを明確にすることでそのようなことは実際に可能だと思いますし、また決算終了後には必ず税理士さんをお食事に誘っているとのことで、フランクなコミュニケーションを通じて、しっかりと価値観や方針のすり合わせ、業界内の動向などを確認されているのだと思います。

地味ですが大切なことを着実に実行されていると感じました。
「クリーンな経営」「クリーンなBS(貸借対照表)」と何度も強調して仰っており、実際に税務調査が入った時も通常2日かかる調査が3時間で終わったとのこと。
BSには会社の歴史が書いてある、と言われることがあります。
8社もの経営をされ、一見派手な経営をされているようにも思いましたが実際は嘘のない、シンプルで正直な原理原則に則った経営を着実に実行なさっているのだとお話を通じて感じました。
蔵元社長、お忙しいところご協力下さりありがとうございました。

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